鹿角市市議会議員 みやの和秀 

鹿角市市議会議員 みやの和秀の活動内容などを紹介します。

令和4年第2回鹿角市定例会一般質問 ⑧

7 新エネルギー産業、かづのパワーの事業を再開させる意義について

かづのパワーは、再生可能エネルギー自給率300%を超える本市の特徴を生かし、

電力の地産地消と電力資金の城内循環を目的に設立された小売電力会社であるが、

昨年の電力市場の高騰により、事業休止を余儀なくされた。昨年1月に開催された全員

協議会の説明で、当局及びかづのパワーの取締役会では会社の解散も視野に入れて検討

しているとのことであったが、議員から、かづのパワーの事業は非常に重要であり、

諦めるべきではないという意見が多数出たことから、再開に向け新たな事業モデルを

検討することになったものと理解している。この間、一昨年10月に当時の菅総理が、

国内の温暖化ガスの排出量を2050年まで実質ゼロにすることを表明するなど、脱炭素の

流れは加速しており、豊富な再生可能エネルギーを有する本市が果たす役割は大きいも

のと考える。しかし、電力市場の価格は昨年11月以降高値で推移しており、かづの

パワーが当初バランシンググループ加入する予定だったHTBエナジーも経営方針を

転換、急遽UPDATERに変更せざるを得なくなるなど、事業環境は決して楽観視できる

ものではない。このような厳しい環境の中においても、かづのパワーの事業を再開

させる意義について改めて伺う。

 

(市長答弁)

 かづのパワーの事業再開の意義につきましては、

 かづのパワーの事業展開により、電力資金の域内循環による利益を原資とした子育て

世代や移住世帯への特別な料金メニューでの電気提供など、電気を通じて地域課題の

解決へ貢献することも目指しております。

 世界の潮流は脱炭素に向かい、電気自動車への転換や再エネを求める企業が増えて

いることから、再エネを供給する電気小売事業の重要性が増しております。本市では

新エネルギービジョンの中で、かづのパワーをエネルギー施策の中核と位置付け、

再エネ電気の供給による脱炭素の推進と、電力資金の域内循環や流入を図ることにより

地域経済の成長を目指しております。

 現状では、再エネ電気は送電網を通じて供給されるため、市外の火力などの電気と

混ざりあうことにより、再生可能エネルギーが持つCO2ゼロの価値を、市内で得ること

が出来なくなっているなどの課題を抱えております。

 かづのパワーが地域の再エネ電気を特定して供給することができれば、市内の電力

由来のCO2排出量が削減され、市内企業の製造品やサービスにCO2ゼロの環境価値を

加えることができるほか、再エネ電気を求める企業の誘致にもつながります。

 また、今、世界的なエネルギー不足により、石油やガソリン、電気の価格が上昇

しておりますが、かづのパワーが、地域の再エネ電気を確保し、安定した価格で供給

することにより、外部の影響を受けにくいエネルギー体制が構築できるものと考えて

おります。

 このように、かづのパワーの事業は、本市にある豊富な再エネ発電所を生かして

地域を豊かにする非常に有効な手段であり、本市が発展していく上で必要不可欠な

存在であると考え、このたび再開に向けた取組みを進めているものであります。