令和4年第2回鹿角市議会定例会一般質問 ⑥
5 本市農業ビジョンについて
本市農業は他市と比べ、米、果樹、野菜等の複合経営を進めてきたが、今後の本市農業
ビジョンを市長はどのように考えているのか、その概要を伺う。
(市長答弁)
本市農業のビジョンにつきましては、
第7次鹿角市総合計画においては、農業を地域の基幹産業の一つと位置付け、効率的
な農林業経営による経営安定と競争力の強化を進め、農業算出額の向上を目指すこと
としております。
本市の農業経営体の特徴の一つである複合経営は、農業の安定経営につながること
から、「農業経営基盤の強化の促進に関する基本構想」において、水稲と野菜、水稲と
果樹などといった営農類型と所得目標を示し、各種支援を行いながら経営体の育成と
農地集積を進めることとしております。具体的な支援としまして、スマート農業生産力
の維持・向上を図ってまいります。
また、平成27年に鹿角市農業構造改革ビジョンを策定し、生産に重点を置いた
農業構造から、販売に重点を置いた農業構造への改革を進めており、各種販売チャン
ネルの整理や販売先の一つとして直売所をモデルとした販売促進活動など、農産物の
有利販売に向けた事業を実施しております。
高齢化、経営体数の減少、国内市場の縮小傾向により、農業を取り巻く環境は
厳しい状況ではありますが、本市農業を持続・発展可能なものとするため、消費者
ニーズを捉えながら、本市の多様な作物の特徴を生かした農家所得向上に向けた取組み
を推進してまいります。
令和4年第2回鹿角市議会定例会一般質問 ⑤
4 皆伐後の植林について
杉山(杉材)の皆伐後、植林されず放置されている山が多くなっている。
市でも植林指導はしていると思うが、現状とその対策を伺う。
(市長答弁)
皆伐後の植林につきましては、
本市では、スギ等の植栽による再造林を推進するため、林業経営体に対し、森林経営
計画の策定を指導することで森林の集約化を促すとともに、国、県の補助金に市が
事業費の7%を嵩上げして支援しております。
皆伐後の再造林は、スギ等の植栽と、広葉樹等の天然更新がありますが、本市では、
将来的に生産材となるスギ、マツ等の新植は費用負担も大きいため、天然更新が多く
なっている現状にあります。
森林法では天然更新が認められておりますが、現在進めている森林経営管理制度では
皆伐後の再造林が必須となっておりますので、今後は再造林率が向上するものと見込ん
でおります。
今後につきましても、再造林面積の増加を目指して支援、指導を継続してまいり
ます。
令和4年第2回鹿角市議会定例会一般質問 ➃
3 鹿角産材(間伐材)を利用しての木育について
議会(常任委員会)で2014年と2015年に岐阜県美濃市、東京都新宿区を視察し、
その後市に施策提案した経緯があり、是非取組むべきと考える。
報道では2年間だけ実施との事だが、鹿角産材(間伐材)を使った木育は
本市にとっても大事な教育と確信しており、今後も続けるべきと考えるが、
今後の計画(予定)を伺う。
(市長答弁)
鹿角産材を利用した木育につきましては、
幼少期から木製品と触れ合うことで、森林資源の豊かさを実感していただき、
特に木材加工業者や消費者など川下からの需要開拓につなげるため、2ヶ年計画で
鹿角産材を活用した乳幼児向けの木製品の開発に取り組みました。
事業の成果として、積み石をイメージした積み木が完成し、来年度から、1歳6か月児
検診の対象者に配付することとしておりますので、まずは、この取組みを定着させて
まいりたいと考えております。
また、黒森山憩いの森で植菌体験や森林環境教室等を実施するほか、中滝ふるさと
学舎での木工体験などを通じて、市民向けの普及啓発に努め、木育を推進してまいり
ます。
さらに、葛飾区との相互連携交流による取組みを前進させることにより、鹿角産材
の利用推進を図ってまいります。
令和4年第2回鹿角市議会定例会一般質問 ③
2 森林環境譲与税を利用した森林整備について
地球温暖化対策について、2005年2月16日に京都議定書が発効された。
我が国では2008年から5年間で1990年比6%削減が義務づけられている。
6%のうち3.8%は森林の吸収でまかなう様に施策を打ち出し達成しており、その後
パリ協定。我が国では2050年CO2排出ゼロを目標とし、様々な施策を講じているが、
その中で大きなウエイトを占めるのは森林である。国有林は計画的に進める事が
できるが、問題は民有林である。山の持ち主は誰か、持山の場所(自分の山林)が
どこにあるのか、また、今後どのような経営をしていけばよいか等、問題が多い。
国の政策として、森林環境譲与税を使い、個人で管理できない人は、市の方で個人に
代わり管理、経営していく制度(事業)が2019年にスタートし、4年目を迎えようと
している。CO2排出ゼロ達成とすべき柱になる事業であるが、その経緯と今後の計画
について伺う。
(市長答弁)
森林整備とCO2排出ゼロ達成に向けた取組みにつきましては、
森林経営管理制度の取組み状況は、初年度の令和元年に玉内・小豆沢地区において
民有林を市に委託するかどうかの意向調査を行い、翌令和2年度に委託の希望があった
森林の現地調査を実施いたしました。3年目となる今年度は、意欲ある経営体に再委託
を行っており、順調に制度を運用しているところであります。
来年度以降は、より広大な規模で取組みを進めていくため、航空レーザ測量を導入
することとしており、将来的には、地籍調査の基礎資料として活用していくことを
見込んでおります。
森林面積が8割を占める本市においては、市内から放出されるCO2の約半分を森林が
吸収しているという試算もあり、森林がCO2抑制に大きな役割を果たしております。
今後につきましても、森林環境譲与税を活用しながら、民有林等の森林経営を適正に
進めるとともに、木育事業等を通じて、市民一人ひとりがCO2抑制に取り組むための
意識の醸成に努めてまいります。
令和4年第2回鹿角市議会定例会一般質問 ②
1 市長の市政運営について
②市長のカラー(公約・政策)が未だ予算化されていないが、新年度の予算では
どの様な施策が予算化されているのか伺う。
また、先の市長記者会見(2月15日)での予算説明会の中で、
「明らかにおかしいと思う事業がいくつもあり、そうしたもの
は計上していない。効率的、公平さが欠けている予算は全部やめた」との事。
それはどのような予算であったのか具体的に伺う。
(市長答弁)
公約の予算化につきましては、
市民や地域との対話をさらに充実させるため、「いつでも市長室」を継続すると
ともに、新たに、地域づくり協議会等を単位とした「地域づくりミーティング」を
開催いたします。
また、人口減少対策といたしまして、妊産婦の不安解消を図るため、産科医などの
医師確保策を強化するほか、検診・出産準備に要する費用支援の拡充、福祉医療制度に
おいて所得制限の撤廃と自己負担の無料化を実施するなど、子供を産み育てやすい環境
のさらなる向上を図ります。
観光振興については、十和田湖をはじめ、県内に伝承される八郎太郎三湖物語に
焦点をあてたシンポジウムやイベント開催し、広域連携による新たな取り組みを
実施してまいります。そのほか、全市域をフィールドとして本市の歴史・産業・文化等
について学ぶことができる鹿角キャンパス構想推進事業や、十和田図書館整備事業など
により、「学問のまち」として十和田地区にもスポットを当てながら、品格と風格の
あるまちづくりを推進する予算としております。
一方で、費用対策効果を見極め、市民の理解を得ることが困難であると判断して
予算計上を見送った主な事業は、「湯の駅おおゆ」の飲食スペース増床にかかる改修
工事と、「国立公園八幡平魅力アップ事業」の構想に基づくアクティビティ施設整備
にかかわる支援事業であります。
総合計画の実現に向けて、施策を推進していくうえでは、絶えず、真に市民のために
必要な事業であるかを見極め、説明責任が果たせるかという視点が重要であると考えて
おり、こうした考えのもとで、新年度予算の編成で、必要な見直しを行っております。
令和4年第2回鹿角市議会定例会 一般質問 ①
1 市長の市政運営について
①第7次総合計画前期基本計画の総評を伺う。
(市長答弁)
宮野和秀議員のご質問にお答えいたします。
第7次鹿角市総合計画前期基本計画の総評につきましては、これまで、政策評価は
年度終了後の成果によって翌年度に評価しておりましたが、今年度から、
年度途中で上半期の実績を評価する事中評価を取り入れ、事務事業の進捗状況や
成果指標の達成度などをもとに、妥当性、有効性、効率性の観点から評価し、
その結果を次年度の予算編成等に活用するようにいたしました。
事中評価の結果、総合計画に登載している272事業のうち、約7割の事業が
計画通り進んでおり、総合計画に掲げた成果指標に達成が見込めるものと評価して
おります。
一方で、成果指標の達成に向けて、手法の見直しなどが必要と判断した事業に
ついては、その結果を新年度の事業立案や当初予算編成に反映させ、見直しを図って
おります。
このことから総体的な評価としましては、前期基本計画の1年目として、重要課題で
ある稼ぐ力を高める産業振興のほか、人口構造の若返りに資する取組みなど、計画した
事業はおおむね順調なスタートを切ることができているものと考えております。